Case studyPARK活用事例

活用のポイント

1. 地域のデジタル化推進に向けた中小企業の経営改善プロジェクト

   

   長野県信濃町DXイノベーション推進プロジェクト事業「令和5年度 中小企業の経営改善プロジェクト DX成果発表会」が、2024年3月に信濃町総合会館で開催されました。
   このプロジェクトは、人口減少や産業の低迷に悩む信濃町の地域経済活性化に向けて、地域企業、特に小規模企業のデジタル化の遅れや人材不足、また地域住民のデジタルスキル向上などの課題解決を進める取り組みです。町内の事業者に対するDX実装支援や、行政DXの推進、住民のデジタルスキル向上を目指すリスキリング支援などを行っています。
   これらの取り組みのうち「令和5年度 中小企業の経営改善プロジェクト」にご参加いただいた地域企業5社の皆さまに、DX推進に向けた取り組みの報告をしていただきました。

2. きづなPARKの「DXスタート診断」でDX推進度を可視化！

   

   本プロジェクトは、各事業者のDX推進を目的に、以下の3つのSTEPで取り組まれました。
   　ー STEP1 「DX基礎セミナー」 DXの必要性の理解
   　ー STEP2 「DX基礎研修」 DXの進め方の理解
   　ー STEP3 「DX伴走支援」 DXの実践
   このSTEP3「DX伴走支援」では、業務の可視化と課題整理、DX計画策定と実装、データ収集による分析や効果測定などを、DXアドバイザー（専門家）とともに実施しました。
   その際には、きづなPARKの「DXスタート診断」を支援開始前、支援経過時点で実施し、定量的に状況確認や効果測定を行いました。「DXスタート診断」は、（独）情報処理推進機構による「DX推進指標・自己診断フォーマット」に示された4つの認証基準（※）をベースに設定された29問の診断項目で構成されています。この診断を実施することで、自社のDX推進度の把握はもちろん、同業他社との比較や、実施前後の変化、改善ポイントの可視化が進みます。
   （※）「DX推進体制」「デジタル化・デジタル技術の活用」「DX人材の育成」「ビジネスモデル」

3. DX推進度の可視化により課題が明確化、全社スコアアップの結果に

   

   STEP3「DX伴走支援」では、きづなPARKの「DXスタート診断」を支援の開始前と支援経過時点の2度実施しました。取り組みの前後で行うことにより、定量的に状況確認や効果測定を行うことができます。
   結果は画像の通り、5社ともDX推進度が上昇しました！伴走支援を通して具体的にDX推進が図られたことが要因ですが、このように自社の実態が数値として可視化できることで、課題の把握や改善ポイントの理解も進み、DXアドバイザーによる支援も効率的に進められます。
   参加企業からは「個人情報保護法に関する動機付けと、社内ルールを整備できました」「頭の中でこうであろうと考えていたことが、具体的なアクションに変えられたのが大きい」「背中を押され一歩踏み出す機会になったため、今後新規ビジネスに取り組みたいです」などの声が聞かれました。
   
   DX推進において必要な取り組みには、リスク回避や業務効率化などの「守りのDX」、そして売上拡大や経営改革などの「攻めのDX」があります。
   今回ご参加いただいた事業者の皆さんからは、リスク回避や業務効率化などの効果を実感した、というお話が多くありました。「攻めのDX」も睨みながら、本プロジェクトはこれからも続いていきます。