Case studyPARK活用事例

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ESG経営アピールで売上増!差別化戦略を推進中!

中小企業の事例

  • 業種製造業
  • 従業員数20名
  • BEFORE

    • 設備投資を重ねた結果、赤字経営が続き債務超過に
    • 顧客からCO2排出量数値化の依頼が…
    • 社長の右腕だった社員が退職し、事務作業全般が完全にストップ!
  • AFTER

    • 設備投資効果を実現するため、市場調査とSEO対策で新規顧客獲得へ!
    • 自社の商流を徹底分析!環境対策を進めてESG先進企業をアピール!
    • この機に属人化から脱却!デジタルを活用して最適化と効率化を達成!

活用のポイント

  1. 安定経営に向けて可視化を実施。投資が売上につながっていないことが発覚…

    ラベルの製造販売を主要事業とするこちらの会社。創業から約半世紀、顧客のニーズと時代の変化に合わせて常に挑戦を続けています。「安心して使用していただける商品づくり」を目指す社長の想いは顧客にも伝わり、事業の継続と成長を実現してきました。
    ところが、顧客ニーズを優先するあまり設備投資を続けた結果、年々負債がかさみ、債務超過の状態が続いていました。
    安定した経営に向けて何から手をつければよいのでしょう。そこで、こちらの会社の財務状況を把握するため、きづなPARKの「決算書3ヶ年分析」を実施しました。判定自体は3ヶ年とも債務超過(レベル0)であり、さらに毎年、負債は増加していることが判明。また、貸借対照表でその内訳を見ると、投資により固定負債が増加しているにも関わらず、投資の結果が売上に反映されていないことがわかりました。
    投資を続けているのに売上に繋がっていないのはなぜか。
    この危機的な状況を克服するため、最優先で取り組んだのが営業方法の見直しです。開発した商品を売るための市場調査とSEO対策を実施し、自社のホームページの構成や内容を一新しました。すると閲覧数が飛躍的に増加し、その後の1年でなんと成約が13件、数千万円規模の売上増につながりました! この結果、財務状況は改善の方向に向かい、今期は債務超過脱却の見込みです。

  2. まずはCO2排出量を把握するところから、ESG経営をブランディングに活用!

    財政基盤を整える取り組みを進める中で、社長から新たな相談が舞い込みます。大手取引先から「取引先のCO2排出量についても把握する必要があり、製造過程での数値を教えて」との問い合わせがあったそうなのですが、「何をどうすればよいのかまったくわからない」とのことでした。
    そこでまず、自社での燃料や電気の使用量を把握。加えて、資材の調達や廃棄、輸送の仕組みまで、商流全体を精査し数値化しました。その結果や取り組み内容を顧客先に伝えたところ、大いに喜ばれたそうです。
    さらに社長は、この取り組みを自社のブランディングにも活用できるかもしれないと考えます。きづなPARKの「中小企業版ESG判定」でチェックすると、結果はB判定! E(環境)への取り組みが群を抜いて高評価であることがわかりました。現在は「ESG経営」を前面に打ち出し、更なる顧客獲得を目指して差別化戦略に力を入れています。

  3. 業務の属人化への見直しが、財務改善にもつながる

    着実に経営改善を進めていた矢先、社長にショックなことが…。
    それまで社長の右腕として管理業務全般を担当していた幹部社員が、家庭の事情で退職することになったのです。すると、他に担当者がいなかったため、業務が回らない事態に陥りました。
    この機会に、それまで幹部社員が担当していた案件進捗管理や入出金、納品管理などの業務全般を見直すことに決めた社長。まずは業務の可視化を行い、無駄な作業を省いたのち、デジタル技術を活用した業務の最適化を進めます。Excelスプレッドシートや財務管理システムの入替え、在庫管理の自動化などにより、定型業務の自動化、スリム化を達成! 当初は他の社員で対応できるか不安な思いもあったものの、属人化を防ぎ、どの社員でも対応できるようなシステムの構築を意識したところ、複数の社員で対応できる体制を構築することで壊滅的なリスクを防ぐことができました。
    さらに、このように業務の見直し、デジタル化を進めることが、結果、無駄なシステム経費の見直しにつながりました。業務の効率化と人件費の削減も進み、財務改善もさらに前進しました。今期決算は、数年ぶりに黒字着地の見込みです。

今後の展望

持続可能な経営に向けて、ESGへの取り組みはもちろん、経営全般のリスク管理を意識するようになりました。今後は災害から復旧やセキュリティ対策も含めて、BCP(事業継続計画)を充実させていこうと考えています。