Case studyPARK活用事例
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取引先交渉での原価率ダウンで赤字脱却!ESG経営で選ばれる企業へ
中小企業の事例
- 業種リフォーム業
- 従業員数12名
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BEFORE
- 慢性的な営業赤字状態から脱却したい
- 業務の多忙化で職場はギスギスし、離職も続く
- 取引先が大手企業のため、自社の環境対策や労働環境も整備したいがそこまで手が回らず・・・
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AFTER
- 決算情報の分析から課題を可視化、ムリ・ムダの削減により営業赤字脱却!
- 「人的資本判定」により人材戦略の課題が明確化
- 「中小企業版ESG判定」から自社のESG経営への取り組みを具体化
活用のポイント
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高すぎた原価率も冷静に分析。取引先との丁寧な交渉で原価引き下げに成功!
個人宅リフォームを中心に事業を展開する建設業の会社。立て続けにリーダークラスの従業員が退職し、受注数の減少や従業員の残業増加が慢性化。その影響もあり、近年は赤字経営が続いていました。
そこで決算書を基に経営状況の可視化を行うと、売上高に対する原価や経費の割合が大きいことが判明しました。売上増と利益増を目指してまず行ったのは、新たに立てた売上目標を基に、徹底した予算組みの実施と、予実管理表を用いた月次での収支管理です。高かった原価率についても、取引先との丁寧な交渉を重ねて引き下げに成功!販管費の細目を細かく設定し、経費削減や無駄遣い抑制を社内で徹底することで、販管費の削減にもつながり、結果的には売上アップだけでなく、しっかりと利益も残すことができるように。
その結果、売上は毎年約10%増を達成、1年で赤字幅の圧縮が進み、2年後には営業黒字に転換することができました。 -
自社の人材戦略を見直すための「人的資本判定」
受注数を増加させても、業務の多忙さから社内にはギスギスした雰囲気があり、離職も続くなど、決して働きやすい環境とは言えませんでした。
自社の人材戦略を改めて見直すため、きづなPARKの「人的資本判定」を実施したところ「B判定」となりました。取り組みが進んでいるものもありますが、同業他社との比較で特に低いスコアになったのが「育成」でした。企業として求める人材の定義づけや教育機会の提供、予算の確保などが進んでいないことが示されました。
また、「コンプライアンス/倫理」に関するスコアも相対的には低く、経営者は従業員とのコミュニケーション不足にも気づかされたそうです。
この結果を踏まえて、人材育成への方針策定や取り組みの強化を図りました。さらに従業員との密なコミュニケーションを行うことで、風通しの良い職場づくりに努めています。現在は従業員から業務改善への提案や活発な意見交換などが自然に生まれ、社内の雰囲気の改善が進んでいます。 -
ESGはC判定。大手メーカーにも選ばれるために…。
総合リフォーム業を営むこちらの会社は、大手メーカーとの取引があります。近年、大手企業ではグローバル化の影響もあり、環境や人権などに配慮した経営が進んでいます。またその流れはサプライチェーン全体に及ぶことから、大手企業との関係強化、さらに今後の事業拡大を睨んで「選ばれる企業」になるために、こちらの企業でもこれらの取り組みの必要性を感じていました。
しかし、何から手をつければよいかわかりません。そこで、きづなPARKの「中小企業版ESG判定」を実施しました。他社平均との比較では3つの項目それぞれで好スコアが出たものの、全体評価は「C判定」。E(環境)、S(社会)、G(企業統治/ガバナンス)それぞれでの課題が浮き彫りになりました。
この結果を踏まえ、現在は自社のCO2排出量の測定(E)や従業員のストレスチェック実施の徹底(S)、コンプライアンス・倫理に関する研修や情報開示など(G)を進めています。さらに今後は、自社の取り組みの対外的な公表や、第三者認証の取得も検討しています。
今後の展望
日々の業務をなんとなく進めるだけでなく、目標を立てて、チェックを繰り返す基本的な作業が大切だと、改めて気づかされました。また今後は「中小企業ESG判定」で示された課題に取り組み、「選ばれる企業」になることを目指します。