PARK活用事例
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警備会社の再生秘話公開:債務超過解消・離職率改善・給与115%アップの舞台裏とは
中小企業の事例
- 業種綜合警備業
- 従業員数80名
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Before
- 近年は営業赤字が続き、ついに債務超過に…
- これまでがどんぶり勘定だったため、経営改善の進め方がわからない
- 劣悪な職場環境を理由とする離職が相次いでいる
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After
- 「決算書3ヶ年分析」で課題を把握、対策を進めて1年で営業赤字脱却!
- 可視化された財務情報を根拠に顧客との単価交渉を進め、収益性が改善!
- ESG判定で課題把握、職場環境の改善を進めて定着率アップ!
活用のポイント
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「決算書3ヶ年分析」で現金の流れを把握・経費を徹底!対策1年で営業赤字脱却!

施設やイベントの警備や交通誘導など、幅広く扱う綜合警備業のこちらの会社。創業から約20年、着実に事業規模を拡大してきましたが、近年は営業赤字が続き、ついに債務超過へ陥ってしまいました。
状況把握のために、まずはきづなPARKの「決算書3ヶ年分析」による可視化を行います。すると、直近の決算年度の「販売費及び一般管理費」が前期比127%となり、経営を圧迫していることがわかりました。そこで、まずは資金繰り表を作成し、現金の流れを細かく把握します。その上で、管理部門の人件費削減や増加した事務所の整理に加え、徹底的な経費削減に向けた取り組みを強化しました。その結果、翌年には前期比95%まで削減が進みました。売上も前期比111%を達成したことも重なり、営業赤字は脱却することができました。 -
可視化された財務情報を根拠に顧客との単価交渉を進め、収益性が改善!

営業黒字に回復したとはいえ、純資産はマイナスであり、債務超過である状況は続いていました。可視化経営を続ける中で、同じく「決算書3ヶ年分析」の貸借対照表を確認すると、マイナス幅はかなり改善していることがわかります。自力再建に向けて、返済期間の延長や追加の借入を行いつつ、何より売上拡大に向けた施策を強化することにしました。
そこで注目したのが単価交渉です。市場動向の調査を進めた上で、すべての契約について、請求単価の引き上げを交渉しました。さらに営業社員を増やすことで10社の新規外注先の獲得に成功しました。その結果、翌年には前期比123%を達成! 資金繰りが改善し、債務超過の解消につながりました。 -
ESG判定で課題把握、職場環境の改善を進めて定着率アップ!

綜合警備業の経営の柱は従業員の存在です。しかし、不規則な勤務時間に加え、劣悪な職場環境を理由とする離職率の高さが課題でした。従業員の定着を促し、また積極的な採用を進める上でも、企業価値の向上は欠かせません。非財務への取り組みを可視化する目的で、きづなPARKの「中小企業版ESG判定」を実施しました。
その結果は、総合評価27点のD判定となり、相対的に低い結果でした。判定の評価項目に沿って、事業を通して進められる環境対策(E)を進め、S(社会)については働きやすい職場環境への改善や人材研修の実施を、残るG(企業統治)への取り組みとして事業計画の策定や管理業務の徹底などに着手しました。すると、翌年の判定では73点の好スコアを達成し、B判定に改善することができました。その後は離職率が改善し、至近の実績で賃金は前年比115%を達成しました!
今後の展望
債務超過に陥ったときはどうなってしまうのかと不安でしたが、徹底的な可視化により課題の把握が進むことで、着実に改善できることを学びました。今後は同業他社へのコンサルができるかもしれません(笑)。